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2021.08.03 Tue / じゃず徒然~どろますの独り言

~徒然11~「バードランドの子守唄」


ジャズのスタンダード曲として、多くのアーティストに取り上げられている曲である。

「バードランド」とは、ニューヨークの名門ジャズクラブで、そのオーナーのために、盲目のジャズピアニスト -ジョージ・シアリング- が、1952年に作曲し、歌詞は後にG.D.ワイスという人が書いた。

この曲が歌われている代表的なアルバムと言えば、1954年に録音されたこの2枚であろう。
○サラ・ヴォーン(タイトル写真右)
『サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン』
○クリス・コナー(タイトル写真左)
『シングス ララバイ オブ バードランド 』
当店リクエスト率としては、前者に軍配が上がる。
クリフォード・ブラウンのトランペットが聴きたいから とリクエストする方も多いから尚更かもしれない。

ここで、洋楽の歌を聴くときにぶつかる大きな 壁 がある。
歌詞の和訳 という壁。
これはジャズの歌だけでなく、他ジャンルでもしかり。
英語初級では難しい。
ライナーノートに和訳が載っているアルバムもあるにはあるが、載っていないのも多いのではないだろうか。

今日、「曲名 和訳」で検索すれば、だいたいの有名な曲は、その訳詞が色々と出てくる。
昔は、英和辞典を片手に苦悩したりして…その挙げ句、全然違う訳をしていたり…;

有名なスタンダードの歌なのに、和訳できていないのが結構あるなぁ。。ポリポリ。
なのに、お客様にこんな感じで偉そうに言ったりする。
「人の声も楽器の一つと思って聴くんですよ。声質、歌い回し、そのニュアンスに耳を傾けるんです。最初から訳詞を気にせず、声を聴いて欲しいんです。訳詞は二の次でいいんです。デクスターはサックスでちゃんとI love youと言ってるでしょう。歌詞が無くても音だけのニュアンスでわかるんですから…」と。
訳せていない歌がいっぱいあるくせに、理屈っぽく、こんな風に騙くらかすようなことをのたまっている。
どーもすみません。

しかしながら、このどろますも、たまには訳詞に時間を割くこともある。

「バードランドの子守唄」の中のテーマとサビの間に、willow(柳)とpillow(枕)の韻を踏んでいる歌詞のところがあって、そこが何ともお洒落でキュンとくる。
英文は載せないので、興味ある方は、原文を紐解いてみてくださいまし。

そこの一節だけ-どろます風-訳詞

古い(柳)の木がそこにあるの
本当の悲しみを知っているかのように…

今日のあなたが
「ごきげんよう、そしてさようなら」と…
もし、それだけだったら私は(枕)に顔をうずめて泣くわ

そう その悲しみは、柳の木が知っているのと同じくらいだわ…きっと

こんな感じ。かなりの意訳。笑

皆さんも、自分の中の大切な曲を掘り起こして、自分なりに訳してみたらいかが?
楽しい時間を過ごせること請け合い。
(イライラする時間になるかも笑)

※サラ・ヴォーン
https://youtu.be/x8cFdZyWOOs

※クリス・コナー
https://youtu.be/HauOcqSFjnE